焼香には、どんな意味や由来があるのか?焼香のマナー
公開日:2018年03月19日
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焼香には、どんな意味や由来があるのかあまり意識したことがないかと思います。諸説ありますが、一例として意味・由来、作法などを紹介します。
目次
焼香の意味・由来
日本に「香」が伝わったのは、仏教伝来とほぼ同じ頃とされています。「焼香」は、仏が住んでいる浄土の『なんとも表現しがたい香りをしたそよ風が漂うさま』を表現したもの。その香りはどこまでも広がり、すべての人に平等に行き渡ります。そのため、「仏の慈悲を讃えるため」のものといわれます。
宗派によって異なる焼香
焼香に対する考え方は、宗派によって違います。例えば、浄土真宗では焼香はあくまでも自分の心身を清めるためのものです。そのために、右手でつまんだ香を額におしいただくことはしません。
回数も違い、真言宗や日蓮宗は通常三回です。天台宗や浄土宗、臨済宗、曹洞宗などは、特に定めはありません。また、一般的に焼香というと仏教と思いがちですが、キリスト教にも「献香」があり、カトリック教会やルーテル教会で行われることもあります。
焼香の所作
抹香の場合
抹香(粉状のお香)をたくのが正式です。主に立って行いますが、座って行う場合でもも作法は同じです。※宗教・宗派によって作法が異なる場合があります。
- 焼香台の少し手前で遺族と僧侶に一礼。焼香台の前に進み、一礼
- 数珠を左手にかけ、右手で抹香をつまみ、額におしいただく
- 抹香を静かに香炉の炭の上にくべる
日常のお参りで使用する線香の場合
- 焼香台の少し手前で遺族と僧侶、また焼香台の前で一礼
- 数珠を左手にかける。ロウソクで線香に火をつけ、香炉を立てる。本数は1本が一般的。火は手であおいで消す
- 線香を立てたら合掌。遺族に一礼して席に戻る
回し焼香の場合、基本は前述の「抹香焼香」と同様。
- 香炉が回ってきたら、一礼して受け取る
- 焼香が済んだら合掌し、両手で次の人に回す
神道儀式の拝礼 玉串奉奠の作法
神道儀式の拝礼は、玉串を奉奠します。
拍手は音を立てない「しのび手」でします。玉串とは、榊の枝に紙垂(しで)という紙片をつけたものです。祭壇に捧げて故人の霊が安らかであることを祈ります。
- 神官に一礼し、玉串を受け取る。右手は枝を上から、左手は葉先をしたから持つ
- 玉串案(台)の前まで進み、一礼する
- 根元が手間になるように時計回りに90度回す。
- 左右の手を持ち替える
- 時計回りで根元を祭壇に向け玉串案(台)に捧げる
- 数歩退き、2回深く礼をする
- 2回しのび手(音をたてない)を打ち、再び深く一礼する。神官と遺族に礼をし、終える
キリスト教式や無宗教のお参り 献花の作法
「献花」は日本だけの風習です。信者の方もそうでない方も故人とのお別れを表すために行います。最近では無宗教の葬儀やお別れの会で行われることが増えています。
- 花が右側にくるように両手で受け取る
- 遺影に向かって一礼をする
- 根元が祭壇側に向くように、献花台に置く
- 深く一礼をする(信者の方は十字を切る)聖職者(神父、牧師)や遺族に位置れ死して終える
形式にこだわりすぎない
宗教や宗派によって形式が違います。どのように焼香するのがよいのでしょう。ひとつは、そのとき葬儀を行っている宗派を尊重し、その作法に合わせる方法。そしてもうひとつは、信仰の自由に基づき、自らが信じる宗派の作法で弔う方法です。
焼香の意味を理解し、仏あるいは故人に礼拝する気持ちで、こころを込めて行う。大切なのは気持ちなので、形式にこだわりすぎないことが一番でしょう。