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【天台宗の葬儀マナー】葬儀の特徴や流れ

【天台宗の葬儀マナー】葬儀の特徴や流れ

公開日:2018年04月03日
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「天台宗」は平安時代に最澄が開いた仏教の宗派で、大乗仏教に分類されます。

葬儀の特徴

「すべての人間はみな、仏の子どもである」「真実を求め、追及する心が悟りに繋がる」という考えを持っています。天台宗を象徴する言葉に「一隅を照らす」があります。これは、「自分自身が輝くことで、周囲の人も明るくすることができる。そうした人が手を繋ぎ合い生きていく世界は、仏の世界と同じ」という考え方で、天台宗の根幹です。

葬儀において「顕教法要」「例時作法」「密教法要」が重要視されます。
天台宗の経典は、法華経です。「顕教法要」では、法華経を唱えて日々の懺悔を行います。すべての人間はみな仏の子であり仏性を宿しているので、懺悔することで仏性を高めるとしています。

「例時作法」とは、経を唱えることによって、極楽に行くことを祈願することです。経を唱えることで、現世も極楽のような世界にするという願いも込められています。
「密教法要」は、定められた印を作り、真言で故人を弔います。

葬儀の流れ

通夜では、臨終の誦経・通夜の誦経が行われます。カトリックの葬式のように、旅立つ前に行うものではありません。また、「剃度式」と呼ばれる儀式があり、水やお香を使って個人の身を浄めます。頭髪に剃刀をあてますが、「仏のもとに出家する」という意味があります。この後に戒名が与えられます。

葬儀では、導師によって「列讃」が行われます。穏やかな曲のなか、打楽器が鳴らされ、阿弥陀如来に迎えられ仏となる、成仏をお祈りすることです。列讃の後に、「奠湯」「奠茶」と呼ばれる儀式があります。これは、お茶を供えることを意味し、その後棺が閉ざされます。
導師によって引導が渡された後、たいまつや線香などで空中に梵字が描かれます。故人を称える文が唱えられ、弔辞の後に読経を行い、回向文が唱えられて葬儀は終了です。

焼香の作法

焼香は3回行うのが基本です。合掌礼拝後、右手の3本の指(親指・人差し指・中指)で香を取り、左手を添えて額にいただき、焼香します。これを3回繰り返し、合掌礼拝します。なお、明確な決まりはないので、1回のケースもあります。
線香を使う場合、1本か3本になります。1本は真ん中、3本はその後ろに2本立てます。

天台宗では「数珠」が特徴的で、楕円のかたちをした、平たい数珠を使います。一般的には108個の「主玉」と4個の「天玉」、1個の「親玉」が連なり、親玉から「弟子玉」が連なった紐が伸びています。親指と人差し指に引っかけるように持ち、弟子玉を下側に垂らして礼拝するのが持ち方です。

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